COR と VRA
現在広く実施されている3歳未満の子どもを対象とした行動観察による検査に条件詮索反応聴力検査(COR: Conditioned Orientation Response audiometry) があります。CORは、1960年に鈴木と荻場が発表した検査方法で、音場における両耳下気導純音聴力検査法として日本で広く用いられています。
海外では1969年にスウェーデンのLidénとKankkonenがCORと追加研究を基に、簡単で改良された検査方法として視覚強化聴力検査(VRA)を発表しました。VRAは小児聴覚検査法としてイギリスオーディオロジー学会(BSA)などでも推奨され、さまざまな国で国際的に用いられています。
CORもVRAも定頸後の子どもを対象とし、視覚刺激で音に対する振り向き反応を強化し、条件反応を利用して聴力検査を行う点は共通していますが、VRAはCORに比べてより柔軟に検査を行うことができます。各検査の条件については、以下の表を参照してください。VRAの特長については次頁で説明しています。